このシリーズは2005年12月以来約2年半のインターバルがありましたが、今回再び寄稿していただける事になりましたので、ご覧いただきますようお願いいたします。


  - ヨーロッパ旅のひとこま -   2008年04月  川出 敏一

新シリーズ−1(通算16回) 商業と金融の町ミラノ、北イタリア


ミラノは商業と金融の町、人々は企業化精神に富んで良く働き、良く稼いで我こそはイタリアを支えていると云う自負心に満ちています。 日本ではミラノコレクションとして女性の方々に馴染みの都市ですが、デザイン力と伝統的な職人の技を生かした工場造りのデザイナ−ブランド 高級既製服プレタポルテ発祥の地であります。フランスのデザイナ−ブランド高級注文服オートクチュ−ルに対抗した大衆向けファッションであり、 マックスマ−ラ、ジョルジオ・アルマ−ニ、ジャンニ・ベルサ−チ、フェンディ、フェラガモ等日本でも有名なブランドがこの地で生れています。


文化財は町の中心ドゥオモ広場周辺に点在しております。135本の尖塔と無数の彫像を持つドゥオモは 500年の歳月をかけて1881年に完成したもので、イタリア・ゴシック建築の最高傑作です。


イタリア統一初代国王の名を冠したガレリア・ヴィットリオ・エマヌエ−レ2世は鉄骨とガラスで覆われ、 模様入りの石を敷き詰めたア−ケ−ドで中央部の十字路は八角形のド−ムを形成しています。ア−ケ−ド内部は歩行者天国で老舗のカフェや商店が軒を連ねています。

スカラ座は世界でも屈指のオペラ劇場でネオ・クラシック様式の建物で1階に博物館を有し作曲家ヴェルディ−の ピアノや遺品・舞台装置、マリア・カラスの肖像等が展示されています。スフォルツェスコ城は幾度となく破壊され撤去の危険に あった居城であり、中心部フィラレ−テの塔が両側に翼を伸ばした特異な姿をしています。ダ・ヴィンチの傑作“最後の晩餐” で有名なサンタマリア・デッレ・グラツィエ教会はこの作品をひと目見ようとする人達で連日込み合っています。 時間をとってコモ湖を訪れて見ては如何でしょうか。スイスとの国境に近くアルプスの山々に囲まれ、 大小様々な湖や木々の緑が織り成す景勝と温暖な気候が人々を魅了しています。古くはシ−ザ−などのロ−マ皇帝、 ヘミングウェイや多くの知名人が別荘を立てています。

平成20年4月記

   
- ヨーロッパ旅のひとこま -
   2008年05月  川出 敏一

新シリーズ−2(通算17回) 聖都アッシジ、中部イタリア


古代ロ−マ時代から歴史あるアッシジは、ウンブリアの小高い丘の斜面にあり、城壁に囲まれた石造りの都市の周辺は 今でも糸杉の林やオリ−ブの畑になっています。聖フランチェスコが生まれ育った聖地でフランシスコ派カトリックの総本山であり全世界からキリスト教 信者の巡礼がこの地を訪れています。

13〜14世紀には絶大な勢力を持ち、奇跡を求める信者の多額の寄付で多くの教会や修道院が建てられました。

聖フランチェスコは12世紀後半に織物商人の裕福な家に生まれています。

騎士を夢見て軍隊に入りましたが不幸が続き20歳で一切の財を捨ててキリスト教の教えに従い遂にはキリストが十字架に架かった時の傷を 我が身に受けるという神秘的な経験をして聖人になった人です。

丘の西側にある聖フランチェスコ教会が都市のシンボルであり、幾つかの教会・城塞と共に西暦2000年に世界文化遺産に登録されています。

聖フランチェスコ教会は聖人の死後13世紀に建てられた古い建物で上の教会と下の教会の2階建になっています。 上下の教会ともフレスコ画の宝庫ですが、取り分け上の教会にあるジョットが描いた28枚の連作“聖フランチェスコの生涯”が有名です。 聖人の遺体は下の教会の地下室に安置されています。


街中に入ると其処はさながら中世の世界、ピンクの石畳の道が石造りの家々を巡ってうねうねと伸びています。 キリスト教の祝祭日には信者の方々で混み合うのでしょうが、訪れた時は静かな佇まいでした。

さて、この地は1997年9月26日に大きな地震に見舞われています。聖フランチェスコ教会でも天井・壁面が崩落 してフレスコ画にも大きな被害を受けました。ボランティアが30万個の破片を集め、使用可能な20万個を使って修復を進め8年の 歳月をかけて2006年4月5日に完成しました。ヨ−ロッパではよくこの様な修復作業の話しを聞きますが、なかなか根気の良い人達ですね。
H20年5月記



  - ヨーロッパ旅のひとこま -
   2008年06月  川出 敏一

新シリーズ−3(通算18回) ロンドンToday 



 久し振りにロンドンを訪れました。
当世事情により、空港でのセキュリティ−検査は厳重を極めています。
本人確認の写真を撮られ、液体も危険物として持ち込み禁止、身体検査では靴まで脱がされ、随所でパスポ−トの提示を求められました。

ただ以前の様に銃を持った警備兵の姿は見られず、きっと監視カメラでチェックしながら即応体制を取っているのでしょう。
市街に出ますと、街中の風景は以前と変わらぬ姿で出迎えてくれました。ピカデリ−・サ−カスからリ−ジェント・ストリ−ト、オックスフォ−ド・ストリ−トを散策しますと、土曜日の午後のこともあり大変な賑わいでした。 活気のある街頭風景ですが市民生活に立ち入って見ますと、物価は確実に値上がっております。 
サラリ−マンの簡単な昼食でも サンドイッチが3〜4ポンド・水500ミリリットルが1.4ポンドで計5ポンドになり、高給取りは別として相当に負担となっている感じです。
ロンドン市内中心部1ゾ−ンの地下鉄運賃は4ポンドになり、嫌われ者のタバコは20本入り6ポンド15ペンス(1285円)になっていました。

早朝官庁街のホワイト・ホ−ルを歩きますと、鞄を抱えコ−ヒ−を片手に持って急ぎ職場に向かう人達に出会います。
朝食もコンチネンタル・タイプで簡単に済ましているのでしょう、昔ながらの居酒屋パブはショットバ−になり、アフタヌ−ンティ−をゆっくり楽しむ時代ではなくなった様です。

さて英連邦は現在エリザベス女王2世が君臨されておりますが、女王様を含め王室の方々は一国民として積極的に活動されております。

最近のニュ−スでもウイリアム王子が海軍の軍人として カリブ海の麻薬取締りに参加すると報じています。女王様の公式の誕生日は6月17日で今年82歳になられます。

毎年恒例のお誕生日祝賀パレ−ドのリハ−サルを見ることが出来ました。
女王様はご参加されず、正装した騎馬隊・歩兵連隊の行進でしたが伝統を重んじる大英帝国の威厳を感じました。

当日女王様は騎乗姿で答礼をされるとの事です。

久し振りのロンドン、私にとって豪華な英国式ブレックファ−ストと1パイントのビタ−はやはり楽しみの一つです。


平成20年6月記
写真は女王様のお誕生日祝賀パレ−ドのリハ−サル風景です。
Photographs copyrighted (2004〜2008, kawade)